ふかづめえぶりでー

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ふるあめりかに袖はぬらさじ(2019)ねたばれな感想と榊原徹士さんバクステレポ

■11/6榊原徹士さん、バックステージ回

実際に、ご案内したのは大道具さん。

舞台となる岩亀楼が、外観の赤い橋と内観のお座敷がちゃんとつながっていて、セット回転して場面が切り替わるようになってます。

スリッパ履いて、ステージに上がった時は、ちょうど赤い橋側になっていました。

てっきり、舞台の袖から登場するのかと思いきや、スポットライトを浴びて、まさかの赤い橋から登場した榊原さん。

榊原「(大地さんが立つ場所だから)真ん中は……」

と、橋の横に移動する榊原さん。

 

いろいろ舞台装置や小道具などの説明がありました。

大道具さんは話し方が上手で、音響さんの説明で音鳴らした時

徹士「ぶぉぉんの音がライダーみたいですね」

大道具「あなた、戦隊でしょ。笑」

と言ったり。

 

違ってたらすみませんが薄縁?(うすべり)、床に敷く長い巻物を2組、でーんと広げて、それぞれスタッフさんがさささーっと巻き上げたり。

大道具「年季が違うと速さが違います」

榊原「あの方は後輩なんですね」

 

奈落にも、乗った(正確には降りた)榊原さん。

榊原「ネタバレになりますが、一度使われるシーンがあります」

そのシーンはご本人じゃなかったので、降りた時は嬉しそうでした。というわけで、推しを覗くみなさん。

 

暗幕も、特に暗視カメラとかはなく、演者さんが暗い中移動するそうです。

大道具「鳥目になれます」

実際に舞台が真っ暗に。

そして、着いたと思ったら、「あれ?榊原さんがいない」と思ったら、少し移動してました。

 

ぐるぐる回る舞台も体験することに。半周回って、観客から見ると、本当に裏側で、また小道具の説明が。

その間も、「わぁ、松が本物だぁ」と思いながら聞いてました。

 

榊原「セットの池も絵ですが、本番になったら水を入れるんですよ」

(心の声)「(へぇ、そうなんだぁ)」

榊原「嘘です。笑」

 

榊原さんと大道具さんのトークが面白く、また来た方全員に見れるように移動するなど、終始サービスされてました。

バックステージが自分的に初日だったので、最初から見ていれば、もっと内容が分かったなぁとそれだけが心残りでしたが、貴重な経験をさせていただくことができて楽しかったです。

 

■感想など

自分の見方がひねくれているだけなんですが、最後までこの二点が気になりました。注)あくまで話と役のことなので、役者さんの演技のことではないです。

 

・藤吉は心の底から亀遊のことを愛していたか。

・お園は心の底では亀遊のことを下に見ていなかったか。

 

まず、藤吉の件。結局の所、ユリウスは紅毛碧眼と書かれるほど酷いことはしていない。あくまで亀遊を見初め、買うという行為はともかく多額な借金を肩代わりしようとしたのは事実だ。これが令和で自分が亀遊だったらユリウス横内格さん一択だけど、残念ながら舞台は幕末。

お園さんも言っていたように、駆け落ちでもすればいいじゃないかと思うけど、まだ男尊女卑の時代で、さらに美しいとはいえ遊女の亀遊だから、「ちえ」と本名で読んでも、一緒にあめりかへ行こうとあなたを守ると言われても、信用しきれずにいました。

さすがに見受け云々の訳は、岩亀楼の通訳であるから苦悩の上で仕事をしたとは思うけど、異人に身体を売ることをあれほど拒否してる亀遊を異人さんがたくさんいる国へ連れて行く、しかも密航じゃね?と思って結局最後まで気になってしまいました。

 

そして、お園さん。大酒飲みでお調子者、義理人情が厚くて、吉原、品川、横浜と渡り歩いて、吉原の遊廓時代で一緒だったという縁で、亀遊の面倒を見るなんて、本当に姉妹のように仲が良かったんだろうと思う。片や男に身を売って生計を立てる遊女、片や男と交わることを禁じて芸の道でいきる芸者。だから、言葉の端々に出てくる「文字が読めないから」とか「武家の娘なんてとんでもない。医者の娘ですよ」みたいな言い方に、どことなくトゲを感じてしまいました。確かに、心を許してるからこそ、まるで身内のように悪く言うような親戚のおばちゃんみたいな感じかもしれませんが、男に対する生き方がまるで正反対だからこそ、そう感じたのかもしれないです。

最後のお園さんの涙は、亀遊を失った悲しさと同時に、普段明るく振る舞っているからこその孤独を感じました。嘘をつくことで店を守らないと自分が始末されてしまうかもしれない。そして、芸の道を選んだことで子供も作ることも許されない孤独。お園さんも、男で色々あったようで、その辺のエピソードも気になりました。笑

 

令和と幕末の違いなど、色々と考えさせられた舞台でした。

 

露をだに いとふ倭の女郎花 ふるあめりかに袖はぬらさじ

 

「袖を濡らす」で、涙を流して泣くの意味だから、「じ」の打消しで「濡らさない→涙を流さない」

「だに」は「露」を強調して、「だって」とか「……すら」の意味。

「いとふ」は厭ふで「嫌がる」

女郎花はクイズ番組でもよく出てくる秋の七草の「おみなえし」

露ですら濡れるのを嫌がる女郎花のように、降る雨にも涙を流さない。

さすがに、覚えました。

 

お園さんのことをあぁ書きましたが、逆にいうと、そういうお調子者でお酒飲んでゲップしたり、腰をぬかすような役を大地真央さんが演じるという貴重な機会に立ち会うことができて本当に良かったです。

藤吉役の矢崎広さんも、実は初めて生で見たので、歌声に聞き惚れてしまいました。

亀遊役の中島亜梨沙さんは、今にも火が消えそうな儚げな役が本当に似合ってて、連投も納得でした。

場を盛り上げた唐人口の遊女のみなさんは、メリーさん、バタフライさん、ピーチさん、キャットさん、チェリーさん、マリアさんと、誰が推しと言いたくなるくらい、妙ちくりんさが飽きなかったです。

 

そして、榊原さん含む思誠塾の五人の志士。これも、見る前に大橋訥庵をwikiで調べ解けば良かったなと思いました。

なぜ飯塚くん以外の4人は、お園さんの嘘をすぐに気づけたのか

10年くらい前大橋訥庵が吉原で遊女の桜木を買っていた。この句は、異人さんに売られるのを拒んだ桜木が詠んだ句であり辞世の句ではない。それを当時大橋訥庵経由でお園は知った。
亀遊が自害し瓦版でその句が亀遊の辞世の句として取り上げられた時に、お園は思い出す。
訥庵が亡くなったのは文久2年(1862年)、亀遊も同じ年。横浜でこれから死ぬために詠みあげられる句をなぜ5年も前に吉原にいたお園が知っていたか。だから嘘とバレたってこと?
ただ、この話、お園さん、藤吉にはしていたような。

リーダー格の岡田演じる大沢健さんは、終始穏やかながら最後にぞくっとするような一言を言い放つところがレッドで

松本演じる篠田光亮さんは、こちらも終始寡黙で、最後お園さんに財布を投げつける所がクールなブルー。

多賀谷演じる林田航平さんは、飯塚くん並に血気盛んだけど、お園さんの嘘を気付けた時点ではおりこうさんなイエロー。

小山演じる瀬戸啓太さんは、役者さんは最年少だけど、裸足でありながら、5年の間に何があったってくらいお園さんとのやり取りとか、とりあえずピンクで

飯塚演じる榊原さんは、最後までお園さんの嘘の歌に最後まで目を閉じて聞き惚れながら、最後は一番キレるという最年少のグリーン

と、どうしてもゴレンジャーに当てはめてしまいました。

 

明治座自体が、試食やら試供品やら、売店も飽きなかったので、長いようで短い舞台でしたけど、歌あり笑いあり涙ありと色々考えさせられる舞台に巡り合うことができてよかったです。