ふかづめえぶりでー

見たこと聞いたことまんま書くブログ

父親の期待に応えようと頑張っているのに報われない役が似合いますよね

オムイズムVol7「探求」見ました。

話は非常にシンプルで、30年前に病院の手違いで取り違えられた二人の赤ん坊。1人はwifiも携帯の料金も払えない汚部屋の探偵事務所を経営する遠山巧(中山優貴)。もう1人は来年上場が決まった川崎不動産の二代目社長の川崎大志(榊原徹士)。その探偵事務所に息子を探すように依頼してきたのは、巧の本当の父親であり川崎不動産会長で先代社長である川崎志郎(篠原巧)だった。

1回見ただけでも、十分わかりやすかったです。

探偵事務所サイドが巧さんと恋人の美和さん、みんなの癒し系の相棒薫くん。

それに対比するように、大志さんサイドには妻の愛さん、秘書の白峰さん。

志郎パパに、取違い事件を追いかける雑誌記者の條辺さん、そして川崎不動産の清掃員である伊東さんと、受付の希さんの10人

普通なら、巧と大志のそれぞれの母親とか、大志の実の父とか、病院関係者とか、色々登場人物は増やせたのに、10人に収めただけでなく、巧さん側と大志さん側が対に見えたので、初見でも「ちょっと待って。さっきの聞き返したい」というのがなく、全体的にわかりやすかったです。

もちろん、2回目見た時は、ずいぶん違った所もありました。リピートするにしても、初見でまず全てを理解した上で、違いを楽しむものだと思うので、そういう意味でも良かったです。

「修羅の世界」を思い出しました

ついこの間公開されていた「修羅の世界」を思い出したんですよね。

 

utusemi0201.hatenablog.com

「修羅の世界」の才賀くんは、4代目組長の実の息子だった訳ですが、甘やかされて育ったとはいえ、所々で父の円月の血を引く凄みがありました。

それを引きずって序盤見ていたので、2代目社長といっても、普通に「できる」冷徹な社長に見えたのです。でも、こっちの大志くんは、1代で上場まで上り詰めた父志郎の血を引き継いでいなかったわけで、條辺とのお金の交渉から、見せかけだったのがバレ始めます。見せかけどころか、実はポンコツで、職場では父親を社長ともいえないバカ息子でした。でも、お父さんを尊敬していて大好きで、巧さんの存在を知ってからは、余計に二代目社長として応えようと頑張っていたんだなと思えます。

清掃員である伊東さんと、受付の希さんは、本編には直接かかわってはいないけど、その二人のユーモラスなやり取りは、劇でもいい意味でクスっと笑えるシーンが多かったです。でも、希さんの仕事ぶりを見ると先代社長の志郎パパは採用したかしらとなると、大志くんの器もわかりました。

追いチケしなかった理由

久しぶりの舞台で、さらに6月なのに尋常じゃない暑さで体力がなかったというのが一番大きいかもしれないですが、所々ストライクゾーンから外れた要素があったからだと思います。

まず大志の子供は出ないのに7歳にしたこと。大志の年齢が数え年で31としても、大学卒業して社会人になったと同時に見合いしたのかと。その頃は実の息子だと思っていてバカ息子だったから、孫に期待しようとしたとかにしても、7歳にしたことで、余計に志郎パパの思惑がよく分からなくなってしまいました。徹士さんも32ちゃいなので、7歳の子供がいても、おかしくはないんですが、中山さんも最初の印象で24歳くらいだと思っていたので、余計に実感が湧かなかったというのもあります。社長室の机の写真も子供が映ってなかったですしね。

もう一つは面白くて、話に引き込まれて、1時間50分というのも集中力的にはちょうどいい時間だったんです。精密に組み込まれた話に思えました。でも、それで満足しちゃったというのもあります。確かに大楽では、1回目見た時よりも、大分演出とか違った箇所もありました。昔の自分だったら、そういうのを箇条書きにして書いたかもしれないです。実は病院側のミスというのは表向きで実は……とか、さらっと終わった巧の過去の話とか、そっちの方を掘り下げて見たかったかなというのもあるかもしれません。

 

久しぶりに見た舞台が探求で良かったです。

我ながら狭いストライクゾーンなので、見逃して見逃して本当に見逃してやっと買った舞台でした。大志くんは、バカ息子でポンコツでしたが、アドリブはほとんどなしに、川崎志郎の息子という唯一の希望の意図を断ち切られ、苦悩する姿を見ることができ、本当に良かったです。強いて上げれば、ずっと下手だったので上手で見たかったです。

このご時世なので、無事9公演終えられて本当に良かったですし、これからもお芝居を見に行こうと思えるようになったのでありがとうございました。